音楽

クラシックギター初心者向けに始め方や必要なものを簡単に説明する

こんにちは、クラシックギター歴12年のぽとりです。

まず初めに言っておきたいのが、「クラシックギターはいいぞ」ということです。

ピアノと同じ独奏楽器で、クラシックギター1本で、J-POPでもジブリの曲でもクラシックの名曲でもなんでも奏でることができます。

また、音色がすごく優しいので、自分で弾いて自分で癒されるというセルフヒーリング効果(今名付けた)も大いにあります。

でも、ギターをこれから始めたいという人の中で、クラシックギターを選ぶ方ってまだまだ少ないです。

その理由は、

・そもそもクラシックギターを知らない

・始め方が分からない

・ハードルが高そう(と思われている)

というところが大きいかと思います。

このページでは、クラシックギターとはなんぞや?というところから、モノを用意して実際に弾き始めるところまでの流れをできるだけ簡潔にザーッと説明してみようと思います。

今から始めてみたいけど大丈夫かな?と迷っている方の背中をそっと、というかむしろ助走付きの体当たりで押してあげられたらいいな、と思います(!)。大丈夫!やればできる!

本ページでは、以下の流れでギターを弾き始めるまでの手順をざっくりと説明します。

クラシックギターの説明 → 必要な道具の説明 → 練習方法の説明 →

実際に弾いてみる

それでは早速見ていきましょう!

1.クラシックギターって何?

そもそもクラシックギターを知らない方向けに、めちゃ簡単に説明します。

「そんなのもうわかっとるわ!」という方は飛ばして第2項目へGO!

1.1 クラシックギターそのものの説明

クラシックギターをざっくり言うと、ギターの弦を下から数えて3本目までがナイロン弦となっているギターのことです。(略しすぎて偉い人に怒られそう)

別名ガットギターとも呼ばれ、弦本来の優しい音色が特徴で、ソロ・ギター(独奏)やデュオ(重奏)、カルテット(四重奏)を奏でるのに向いています。

癒し系の曲なんか弾くと、ばっちりハマります。

ゴンチチの「放課後の音楽室」なんか有名なクラギ曲ですね。バッハ等のクラシックを奏でるのもこのギターです。

ソロ・ギターというのは、左手の親指を除く4本の指でそれぞれの弦を押さえて、右手の小指を除く4本の指で弦を爪弾いて演奏する独奏形態のことです。

楽器から出る音量はそんなに大きくないので、自宅でも十分演奏できます。(さすがに深夜はまずいけど)

1.2 アコースティックギターとの違い

1.2.1 弦が違う

クラシックギターとアコースティックギターの最大の違いは、使っている弦の種類です。

クラシックギターは1~3弦がナイロン、4~6弦が鉄(スチール)弦なのに対して、アコースティックギターは6本すべてが鉄弦となっています。

アコースティックギターはすべて鉄弦のため、シャラシャラ、キラキラとした音が出て、よく弾き語りに使われたりします。ゆずとかコブクロとかが持ってるアレです。

クラシックギターは弾き語りに使われることはあまりないですが(たまにいますけど)、ナイロン弦特有の音質と、4本の指で弾くことによる音の幅の広さから、独奏や重奏では持ち前の表現力を発揮します。

1.2.2 弾き方が違う

クラシックギターは爪の形を綺麗に整えて、正しいフォームで弦を爪で弾いて音を出します。

綺麗な音を出すためには爪の形の調整とフォームが命、と言ってもいいのがクラシックギターです。

一方、アコースティックギターはピックを使ってコードをじゃかじゃか鳴らしたりします。こちらも良いフォーム、悪いフォームがあります。

もちろん、逆の組み合わせ(クラギ×ピック、アコギ×爪)もありますが、基本的には先に述べたとおりです。

また、奏法の違いからも分かるように、音の大きさはアコギ>クラギです。

アコギをお家でかき鳴らすと結構響きます。

1.2.3 ギター本体の大きさも少しずつ違う

ギターのボディの大きさも違っていて、アコースティックギターよりクラシックギターの方が少し小さいです。

しかし、弦を押さえるネック(首)と呼ばれる部分については、クラシックギターの方が少し太くなっています。

こう書くと、手の小さい人はクラシックギターにおいて不利なのか、と思われがちですが、そんなことはありません。

私の知る限り、手の小さな女性が難しい曲をバリバリ弾きこなしているのを、何人も見てきましたので。

ギターの説明はこんなところで、次はクラシックギターを始めるのに揃えるべきアイテムを見ていきましょう!

2.クラシックギターを始めるのに必要なものは?

2.1 クラシックギター本体

いきなり話がそれますけど「クラシックギターを始めるのに必要なものは?」の答えがクラシックギター本体ってなんかすごいQ&Aですね。

2.1.1 クラシックギターの値段やあれこれ

クラシックギターは値段が数千円~数百万円とピンキリなので(楽器全般でよくあることですが)、どの程度のものを買えばいいのか迷うと思います。

なぜこんなに値段が違うのかというと、使っている木の種類と作り(単板or合板)が違うからです。(ざっくり)

単板の方が音の抜けや響きが良いですが高いです。合板は1万円もしないような安いものもありますが、音質がビミョーです。

この辺りは一度近くの楽器店に行って弾き比べてみると良いのですが、ゼロから始める初心者にいきなり音の違いを聞き比べろというのも酷な話だと思いますので、私個人の考えを次に述べたいと思います。

2.1.2 初心者が選ぶべきギターとは

まず、初心者がいきなり数十万円もするような高額なギターを買う必要はないです。

まだどこまでハマるかもわからないものに、高いお金を出して後悔したくないですしね。(と書くと、また偉い人に怒られそう)

ただでさえ敷居が高いものの敷居を更に上げる必要なんてありませんので悪しからず。

じゃあ安いものを買えばいいのかというとそうでもなくて、私が最初のギターとしておススメするなら、「単板の安いギター」です。

楽器店で探せば3万円くらいで売ってると思います。

1万円しないような合板のギターは音質がビミョーということもありますが、やっぱり初心者とは言え、恐らく長い間触るものなので、ある程度はいい音に聞きなれてほしいというのもあります。

いいお値段のクラギを買うのは、弾けるようになって、もっといい音を出したいと思うようになってからでOKです。

ちなみに私は3万円のクラギ→12万円のクラギの流れです。(周りの人は30万円~のギターとか買ってましたが、趣味で楽しむ分には十分だと思ってます。)

ちなみに、クラシックギターは店頭で実際に触って選ぶのがいいですが、オンラインショップで探したい、という方は石橋楽器が豊富な品揃えです。私もときどき利用しています。

こちらに石橋楽器のサイトで単板のクラシックギターを安い順に表示してみたので、参考までにのぞいてみてください。大体の相場が分かると思います。

2.2 周辺グッズ

2.2.1 チューニングするもの(音叉やディジタルチューナー)

ギターは弾く前に、弦を巻いて音の高さを合わせてやらないといけません。(調弦という)

なぜかというと、ギターの弦は放っておくと気温変化の影響を受けて、伸びたり縮んだりする=音の高さが変わるからです。

調弦しないでギターを弾くと、不協和音の気持ち悪い演奏になってしまいます。

その調弦を行うためのアイテムが音叉やディジタルチューナーです。

〇音叉

音叉の先端を膝などに当てると、A(440Hz)=ラの音が鳴ります。これをギターの表面板などの硬いものに当てると、当てた物質と共鳴して大きなラの音を出します。

この音とギターの5弦5フレットの*ハーモニクスで音の高さを合わせます。

(*左手で弦を押さえず指を当てただけの状態で、弾弦した瞬間に左手の当てている指を離して2オクターブ上の音を出す技)

アナログ技なので電池がいらないし、耳も鍛えられるのでおすすめです。

〇デジタルチューナー

ギターのヘッドにこのチューナーを挟んだ状態で弦を鳴らし、音の高さが合うと色が変わるタイプのものです。

安いし手軽だし音叉より精確なので、最初からこちらを選んでもOKです。

2.2.2 爪やすり、紙やすり

クラシックギターを弾く前に、爪の形を整えないといけません。

爪に凹凸があると、ギターの弦が爪先を滑る途中で引っ掛かって、音が汚くなってしまいます。

また、凹凸がなくとも爪の形がおかしいと、やっぱり弦の上をうまく滑らず、音が汚くなります。

これからクラシックギターを弾こうという方は、まずは右手の爪のお手入れに爪切りを使うのはやめましょう。

爪やすりで形を整え、紙やすりで爪先の表面をトゥルトゥルにするのです。

爪やすりは100均に売ってるので十分です。

紙やすりは、タミヤ模型のサンドペーパー2000番がちょうどいいです。

そのままだとデカいので、細かく切って使いましょう。

ちなみに左手の爪は弦を押さえるのに邪魔なので、爪切りでバッサリと切ってしまってOKです。

2.2.3 弦

ギターの弦は消耗品です。サビたりして古くなると音が悪くなるので、定期的に交換する必要があります。

クラシックギターの弦は種類がいっぱいあるので、弦を選べと言われてもよくわからないと思います。

なので、ここでは私が使用している弦を紹介しておきます。初心者にもオススメです。

通常使っているのは、AUGUSTINE(オーガスチン)のブルーです。

 

色々試しましたが、値段と音質(個人的な嗜好も含む)で考えたときにコスパ最強はオーガスチンブルーだと思ってます。

特別に気合を入れるときはHANNABACH(ハナバッハ)のブルーを使います。ハイテンション大好きマンです。

AUGUSTINEより音の迫力があるので、よく演奏会用に調達してました。

ただし普段使いするにはちょっとお高いです。

2.2.4 メトロノーム

ギターに限らず楽器の練習に欠かせないのが、指定の速度で一定のリズムを刻んでくれるメトロノームです。

ギター上達のための必須アイテムと言っても過言ではありません。

メトロノームには、小中学校時代に音楽室で見たようなアナログでカチカチするタイプと、電子音でピッピッと鳴らすタイプのものがあります。

どちらも良いところ悪いところがありますので、使用する環境に応じて使い分けると良いです。

〇アナログタイプのメトロノーム

ねじを巻いて針を動かすアナログタイプのメトロノームです。

電子音のものよりハッキリとカチカチ音が鳴るので、音が聞こえ辛いということはまずありません。

特に持ち運びしないという方でしたら、個人的にはアナログタイプがおすすめです。

〇電子音メトロノーム

電子音でリズムを刻むタイプで、コンパクトで持ち運びにも便利です。

アナログのメトロノームと比べて音が聞こえ辛いことがありますが、自宅で1人で練習するならそんなに騒音もない(と思う)ので、これで十分でしょう。

3.練習はどうしたらいい?

さて、ひと通り道具が揃ったところで、いよいよギターに触れていきましょう。

しかし、いざクラシックギターで曲を弾こうとしても、最初は右手も左手もうまく動かなくて、こんなの弾けるわけない!って思いますよね。

それは当たり前なんです。初めて自転車に乗る人がうまく漕げないのと同じです。

だけど、1日20分の練習でも、毎日練習を続けるうちにどんどん指が動くようになって、たどたどしくても曲が弾けるようになっていきます。

そうなれば後は基礎練習と曲を弾く練習を繰り返すだけで、自然と形になっていきます。大丈夫です。

ここでは、具体的な練習方法というよりも、初心者が気を付けるべきポイントについて書いていきます。

3.1 フォームづくりは最初が肝心

クラシックギターの上達に大きくかかわるのが、フォーム(姿勢・構え)です。

正しいフォームがどういうものかは参考書やYoutubeに任せるとして、なぜフォームが大事かを説明します。

クラシックギターを弾くときは、左手で弦(ネックも)を押さえ、右手の爪先で弦をはじきます。

左手のフォームが間違っていると、弦を押さえるのに無駄な力が入って、指の移動の邪魔になったり、単純に疲れます。

右手のフォームが間違っていると、弾弦がうまくいかず音が汚くなったり、弾きたい弦以外の弦を弾いてしまったりします。

1度癖がついてしまうと、直すのに結構苦労します。

なので、後々の成長を考えると、多少慣れなかったり面倒だったりしても、最初に正しいフォームを身に着けておくべきです。

正しく弾ける人が近くにいれば、その人に見てもらうのが1番なのですが、そうでない人の方が多いと思うので、フォーム確認用の簡易的なチェックリストを置いておきますね。

フォーム確認チェックリスト

・ギターのネックに対して手首が垂直になっているか

・指板や弦に対して指が垂直に立っているか

・右手首が寝ていないか(右手首を起こさないと弦を弾く指がスムーズに動かない)

・正面から見たときに弦を弾く右手の爪が見えていないか(出来るだけ見えない方が〇)

よくわからないけど周りに聞く人もいない、という方はお問い合わせフォームからぽとりまで質問をぶん投げてください。少しはお役に立てるかもしれません。

3.2 メトロノームを使って反復練習

フォームが整ったら、メトロノームの登場です。

メトロノームを使って、リズムに合わせて一定の速度で弦を弾く練習(弾弦)をすることで、徐々に指がギターに馴染んでいきます。

具体的な練習方法については割愛しますが、要望があればまとめます。

練習の際は必ずメトロノームを使うのが上達の近道です。

リズムの指標としてのメトロノームに合わせて練習することで、基礎練習におけるガイドの役割を果たしつつ、演奏に必要なリズム感も身についていきます。

また、練習を開始する前には必ず調弦をする習慣を身に付けましょう。調律の取れた楽器で練習することで、音程のズレ等の音の違和感に気付きやすくなります。

4.さあ、実際に弾いてみよう

指が動くようになってきたら、実際に楽曲の演奏にチャレンジしてみましょう。

というか、フォームさえしっかりすれば、基礎練習と並行して楽曲に触っていいと思います。

基礎練習ばっかりだと飽きますし!

私が入門編としておすすめするのは、「ソロ・ギターのしらべ スタジオジブリ作品集」です。

だれでも聞き覚えのあるメロディなのでギターの演奏に落とし込みやすく、曲ごとに難易度が表示されているので、譜面をパッと見て難易度がよくわからない初心者の方でも、簡単な曲から始めることができます。

演奏CDも付いているので、リズムがわかりにくいところは実際に聞いて理解できるのもGOOD。

そして何よりも、ジブリの曲が本当にクラシックギターに合うんですね。。。社会の荒波に揉まれて荒んだ心を癒してくれます。

ジブリ本で物足りなくなったら、他のソロ・ギターの調べシリーズから好きな曲があるものをえらんでもいいですし、難易度は高めだけどクラギアレンジ最高!な本としては、岡崎倫典さんの「フィンガースタイルで弾くソロ・ギター名曲集」もとても良いです。

演奏CDがついてるんですけど、このCD単体でも元が取れるくらい編曲のクオリティが高いです。

ただ、演奏の難易度は高く初心者向けとは言い難いので、ある程度弾けるようになってからの方が触りやすいと思います。CD目当てで買ってもいいと思いますけどねw

クラシックギターを弾いていくうちに、もっと学びたい!と感じた方には「カルカッシ・ギター教則本」を紹介しておきます。

紹介しておいてなんですが、マジメな内容なので飽きる人は飽きると思います。特に私のようなセルフヒーリング命!みたいな人には。

じゃあなぜ紹介したかというと、クラギの練習法や奏法等、ギター教室で習うような基本を網羅しているからです。

全くの初心者にいきなり独学でこの本をマスターしろ、というのはかなり酷だと思います。

が、独学だけど知識は身につけておきたい、という方は手元に置いておいても良いかもしれません。

5.まとめ

初心者がクラギを弾き始めるまでの流れをザーッとまとめますよ。

1.クラシックギターを選ぶ

・クラシックギター初心者がギターを選ぶときは、単板の安いものがおすすめ。

・高価なモノはどっぷりハマってからでOK。

 

2.必要な道具

音叉チューナー(弦のチューニング)

・爪やすりと紙やすり(爪の調整)

・クラシックギターの弦(AUGUSTINE or HANNABACH消耗品ですから)

アナログメトロノーム or 電子メトロノーム(基礎練習時のガイドの役割)

 

3.練習方法

・初心者のうちに正しいフォームを身につけること!

・練習には必ずメトロノームを用いること!

 

4.実際に弾いてみる

・初めはジブリのTAB譜本がとっつきやすくておすすめ

・ギターアレンジの良さを感じるには「フィンガースタイルで弾くソロ・ギター名曲集」も良い

・もっと知りたくなったら「カルカッシ・ギター教則本

(ただし初心者には気合入れないと難しいかも)

ここでは、ギター教室については一切触れませんでしたが、時間やお金に余裕のある方はもちろん通っていいと思います。

実技系は経験者に教えを乞うのがもっとも早い上達方法ですし、多くのWEBサイトやメディアでも、信頼のおけるベテランに習うべきという意見であふれています。

でも、みんながみんなギター教室に通えたり、親しい経験者がいるわけじゃないですよね。

私はクラシックギターを個人的な趣味として、独学で楽しむスタイルもあって然るべきだと思います。

今は本でもネットでも情報が溢れる時代ですし、まずは自分の力で始めてみる、という選択肢があってもいいと思うんですよね。

正攻法の知識や技術を学ぶのは、躓いてからでもいいです。やる前から敷居を上げすぎて、初心者が何もできないという状況は、界隈の衰退に直結すると思いますし。

上手く弾けなくても、まずはギターの演奏が楽しいと思えることが一番大事。

そこに至るために、やっぱり少しずつでもいいから基礎練習を続けましょう。

演奏の楽しさを知ろうとしたら地道な練習は絶対に避けられませんけど、続けていれば絶対に弾けるようになります。やるかやらないかだけです。

そうして、自分の演奏で自分を癒せたら最高ですよね。

さて、長々と書いてきましたが、このページが少しでもクラシックギター初心者の参考になって、ついでに心のハードルを下げる手助けができたらいいな、と思います。

共にセルフヒーリングクラシックギターライフ(長い)を楽しんでいきましょう。それでは!